キーエンス株価高値の真相!ROEによる企業分析
60,000円を超えるキーエンスの株価にはどのような秘密が隠されているのか?
キーエンスのROEは約13%と、表面上、高額な株価を正当化するには不十分に思えます。しかし、ROEの深層を掘り下げることで、キーエンスの真の強みと高い株価の理由が上がってきます。
この記事では、ROEをさらに掘り下げて分析し、キーエンスの経営の核心を解き明かし、キーエンスがなぜ市場から高く評価されるのかを明らかにします。
この分析を知ることでキーエンスの強みがわかり、市場から高い評価を受けられる理由がわかります。
ぜひ最後までお読みください!
ROEとは?
ROEとは、自己資本利益率(Return On Equity)の略で、企業が株主から受け取った資本でどれだけ効率的に利益を上げているかを示す重要な指標です。
詳しくはこちらをご覧ください。
そして、ROEは以下の計算式で表せます。
ROE = 売上高純利益率 × 総資産回転率 × 財務レバレッジ
この計算式からわかるように、ROEは売上高利益率、総資産回転率、財務レバレッジの3要素に分解でき、この3要素に分けて分析することを「デュポン分析」と言います。
ROEについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
→ROEを理解して長期投資を有利に進める
今回、キーエンスのROEにデュポン分析を行い、キーエンスの稼ぐ力の実態を調べてみます。
ROEで読み解くキーエンスの実力
キーエンスの過去5年平均ROEは約13.56%です。
一般的にROEが10%以上であれば、稼ぐ力がある企業と評価されます。
キーエンスの比較会社であるオムロンのROEは約10%であり、キーエンスと大きく変わりありません。
では、キーエンスのROEを営業利益率、総資産回転率、財務レバレッジに分解し、キーエンスの強みを探ってみましょう。
キーエンスの売上営業利益率
キーエンスの過去5年間の営業利益率は53.1%です。
営業利益率は、売上高に対する営業利益の割合を示す指標で、企業の収益性を測る指標です。
営業利益率が高いほど、企業は売上から多くの利益を生み出しています。
キーエンスの場合、売上の約半分が利益となっています。
比較会社のオムロンは約10%、ハイテクテクノロジー業界では15%程度の営業利益率が一般的ですが、キーエンスはこれを大きく上回っています。
キーエンスの総資産回転率
総資産回転率は、企業が効率的に資産を使用しているかを測る指標です。
総資産回転率が高い場合、企業は効率的に資産を使い、売上を生み出しています。
逆に低い場合は、資産を十分に活用していない、または過剰な資産を保有している可能性があります。
過去5年のキーエンスの総資産回転率は0.32回でになります。
これは、企業が5年間で総資産の32%に相当する売上を上げていることを意味します。
比較会社のオムロンの総資産回転率は0.88回で、キーエンスの総資産回転率は比較的低いことがわかります。
キーエンスの財務レバレッジ
財務レバレッジは、自己資本比率から計算されます。
自己資本比率が高い(つまり、財務レバレッジが低い)場合、企業は自己資本に依存して運営されていることを意味し、一般的に財務的に安定していると見なされます。
逆に、自己資本比率が低い(財務レバレッジが高い)場合、企業は負債に依存しており、収益性が高まる可能性がある反面、財務リスクも高くなります。
キーエンスの過去5年平均自己資本比率は94.5%で、これに基づく財務レバレッジは約1.06となります。
これはキーエンスが非常に低いレバレッジを持ち、資産の大部分が自己資本によって賄われており、財務的に非常に安定していることを示しています。
ROEからわかるキーエンスの強み=営業利益率
キーエンスのROEは10%以上あり、稼ぐ力のある企業と評価できます。
さらに、ROEを分解して分析を行うことで、ROEだけではわからないキーエンスの強みが明らかになりました。
それは、キーエンスの資本回転率が低い、レバレッジ経営をしていない企業でありながら、高いROEを維持している点です。
そして、その理由は圧倒的に高い営業利益率にあります。
キーエンスが市場から非常に高い評価を受けている理由は、この営業利益率を生み出す企業内の仕組みにあり、これがキーエンスの大きな強みとなっています。
ROEだけでは企業の全体像を評価することはできませんが、ROEを分解することで企業の強みがより明確になりました。
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