企業分析:島精機製作所(6222)の強み・弱み
安定して資産を増やすには『これだ!』と思える企業を探し出すしかない!
当ブログは隠れた価値ある企業を探すブログです。
今回、ユニクロにも提供している、衣服横編機製造する「島精機製作所」をご紹介します。
この記事では、「島精機製作所」の企業概要とその隠れた強み、さらにリスクや弱点も分析し、この会社が大きく成長する可能性がある企業か考えてみます!
ぜひ最後までお読みください!
島精機製作所はどんな企業なのか?
島精機製作所は、独自の技術で【一本の糸から衣服を生み出す】ことが可能な革新的な企業です。
主要事業は「ホールガーメント事業」で、これが同社の売上の大部分を占めています。以下で、各事業について詳しく見ていきましょう。
ホールガーメント事業
この事業は、精機製作所の中心となる分野です。
ホールガーメント横編機により、一本の糸から直接衣服を編み出すことが可能です。
この技術は、布の裁断や縫製が不要で、縫い目のない衣服を迅速に製作できることが大きな特徴です。
また、材料の無駄が少なく環境に優しい点も重要です。
手袋靴下編機事業
元々、手袋編機の製造からスタートした精機製作所は、その技術をホールガーメント事業に応用して発展させました。
現在でも、手袋や靴下の編機を生産し、医療用からアウトドア用途まで幅広く対応しています。。
デザインシステム関連事業
アパレル業界の製造プロセスを支援するため、サブスクリプション型のデザインシステムを提供しています。
2022年には、「SIMA Datamall」という新サービスを開始。
これは、デジタルデータを活用してファッションアイテムの企画から生産までを支援するオンラインサービスです。
6,000点以上に及ぶデジタルデータの検索・閲覧し、新規コレクションのための情報収集や商品企画ができ、自社の裁断機と連動させることで、商品の企画から生産までを一貫してできるようになりました。
機器の修理・点検、紡績事業
この他にも、自社製品のメンテナンスや修理、子会社での高級カシミヤ糸の紡績などを行っています。
事業別売上比率
ホールガーメント事業は精機製作所の売上の大部分を占めており、企業の成長を牽引しています。
島精機製作所の経営方針とは?
島精機製作所は、「Ever Onward -限りなき前進」という中期経営計画を掲げています。
この計画では、「変革」と「再生」をキーワードに、事業の進化とスピード感ある変化を目指しています。
目標としては、2020年の244億円の売上高を2023年には540億円へと約10%の成長を見込んでいます。
以下の4つの戦略を軸に、その目標達成を目指しています。
①ホールガーメント事業の強化
主力事業であるホールガーメントをさらに推し進め、国際市場でのシェアを拡大します。
製品の機能強化、製造コストの削減、販売促進を通じて、競合他社との差別化を図ります。
②ソリューション事業モデルへの転換
衣服の企画から生産までの過程を最適化し、DX化を通じてコスト削減と高付加価値商品の生産を目指します。
これにより、ファッション業界のサプライチェーン改革を実現し、安定収益を目指します。
③事業多角化の推進
ホールガーメント事業への依存脱却と新規事業の立ち上げを図ります。
④経営基盤の再構築
新型コロナウイルスの影響を踏まえ、経営体制の見直しを行います。
しかし、2023年3月期の経営目標は、原材料の高騰や中国メーカーとの競争激化により、計画された540億円から430億円へと下方修正されています。
島精機製作所の強みとは?
島精機製作所のコア技術とその影響力
島精機製作所の最大の強みは、独自の「一本の糸から服を生み出す技術」です。
この技術はホールガーメント横編機によって実現され、同社の主力製品と事業を形成しています。
この革新的な技術により、布の裁断や縫製といった従来の手間が不要となり、原材料のロスと生産コストを大幅に削減できます。
さらに、縫い目がないことから、デザインやシルエットの幅が広がり、より自由度の高いファッションの創造が可能になりました。
この技術は、ユニクロ、エルメス、NASAを含む世界的なブランドや機関にも認められ、広く採用されています。
特にユニクロでは、2016年に島精機製作所との合弁会社を設立し、自社の主力商品である3Dニットの生産体制を強化しました。
“ファーストリテイリング(以下、ファストリ)は、島精機製作所(以下、島精機)と合弁で2016年に立ち上げたイノベーションファクトリーを子会社化する。同時に、ファストリの有明本部近郊に移転し、生産規模を拡大すると発表した。これによって、「ユニクロ(UNIQLO)」の看板商品の1つとなった“3Dニット”の生産体制を強化する。”
WWD:「ユニクロ」が“3Dニット”の生産体制を強化 島精機との合弁会社を子会社化
この技術の採用は、ユニクロのような世界第3位のカジュアル衣服メーカーに認められたことが、島精機製作所にとって大きな信頼と強みをもたらしています。
島精機製作所の弱みとは?
一極集中の生産拠点は、大地震の想定被災地の和歌山
島精機製作所の主要な課題の一つは、生産拠点の一極集中です。
開発から製造までを和歌山県に集中させることで効率化を図っているものの、この地域が将来的に南海トラフ巨大地震の想定被災地であることが大きなリスクとなっています。
自然災害や事故が発生した場合、製造ラインが長期間停止する可能性があります。
競合他社との市場シェア争いに苦しんでいる?
市場競争の激化も島精機製作所にとっての課題です。
特に中国の競合メーカーとのシェア争いは、中期経営計画の下方修正の一因となっています。
中国企業CIXINGのような競合他社は、島精機製作所のユニークな技術を持たないものの、市場シェア獲得において島精機製作所に挑戦を投げかけています。
連続赤字・新規事業も不透明で、成長性が乏しい
島精機製作所は中期経営計画は下方修正されただけだなく、4期連続の最終赤字を続けてます。
中期経営計画では『限りなき前進』とミッションを掲げていますが、赤字が続く状況をみると掲げている『どこが前進している?』と掲げるミッションを疑いたくなります。
さらに中期経営計画に【新規事業立ち上げ】の施策が述べられているが中期経営計画発表後、そのことに関する情報を見つけられませんでした。
というように、掲げているミッション・目標と実績が乖離しているため、島精機製作所へ安心した信頼を寄せるのが難しいです。
【結論】強みを活かしきれ残念な企業
今回、島精機製作所を調べて思ったのは「独自技術を充分に活用できていないのが残念な企業」というものです。
一本の糸から服を作るという世界レベルで通用する技術を持ちながら、その潜在能力を十分に発揮できていないように思えます。
ホールガーメント機の技術は競合他社にはない特異な技術を有していますが、それが直接的な利益に繋がっていないのが現状です。
継続的な赤字や、アナウンスされていた新事業の具体的な進展が見られない点も懸念材料です。
具体的には、島精機製作所は中期経営計画を下方修正し、4期連続の最終赤字を記録しています。
中期経営計画では「限りなき前進」というミッションを掲げていますが、赤字が続く現状を見ると、そのミッションの実現が疑問視されます。
加えて、「新規事業立ち上げ」という施策についても、その進捗や成果に関する情報が不足していることから、目標と実績の乖離が懸念されます。
技術自体は優れていますが、ホールガーメント事業への依存が高いため、そのリスクも大きいです。
ただし、中期経営計画での「横編機事業への偏重からの脱却」の記述や、新しいソリューション事業の導入に向けた取り組みは、会社の自己認識としては前向きな兆しです。
しかし、現時点でファッション業界のサプライチェーンの状況や市場シェアが不透明であるため、今後の事業の成長に期待を持つことは難しいです。
私自身、和歌山出身という地元愛から島精機製作所の株を保有していますが、現時点での投資リターンは期待できていません。
2023年12月現在、2023年10月第2四半期決算が悪く株価はさらに下落し、含み損も大きくなっています。
ですので今回調べてみて、島精機製作所の成長性には疑問が残るため、一部株を売却し、他の魅力的な投資先を模索することを考えています。
ただ技術自体はユニクロも認めた技術なので、積極的な投資を続け自社の強みをどう活かすのか数年スパンで気長に見ていこう考えてます。
興味を持たれた方はぜひ、島精機製作所を調べてみてください!
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