企業分析:Chatwork(4448)の強み・弱み
安定して資産を増やすには『これだ!』と思える企業を探し出すしかない!
当ブログは隠れた価値ある企業を探すブログです。
今回、国内産ビジネスチャットツールを開発・販売する「Chatwork」をご紹介します。
この記事では、「Chatwork」の企業概要とその隠れた強み、さらにリスクや弱点も分析し、この会社が大きく成長する可能性がある企業か考えてみます!
ぜひ最後までお読みください!
Chatworkはどんな企業なのか?
Chatworkは、ビジネスコミュニケーションの分野で注目を集めている企業です。
主にビジネスチャットアプリの開発と販売に特化しており、国内利用者数No.1の知名度が高い企業になります。
事業の柱
Chatworkのビジネスは大きく分けて2つの事業領域に分かれています。
- ビジネスコミュニケーションツール
Chatworkの主力製品であり、クラウドベースのビジネスチャットツールとして提供されています。広告表示や容量制限のない有料版は、サブスクリプションモデルに基づいて販売されており、企業の内部コミュニケーションを効率化することを目的としています。 - セキュリティソフト販売:
この事業領域では、アンチウイルスソフト「ESET」の代理店販売を行っています。しかし、Chatworkは現在、主事業に集中する方針を採っており、セキュリティソフト販売に関しては今後、積極的な事業拡大を行わない方針です。
Chatworkの特徴
Chatworkの魅力はその多機能性にあります。チャット機能だけでなく、タスク管理、ファイル共有、音声およびビデオ通話など、ビジネスコミュニケーションに必要な機能が一つのアプリに統合されています。
これは、ビジネス環境に特化した「LINE」のようなものと言えるかもしれません。
アプリをを使うことで電子メールよりもリアルタイムでのコミュニケーションを可能にし、チーム内のコミュニケーションが円滑になることで作業の進行全体の生産性が向上が売りとなっています。
財務状況の現状
Chatworkの業績は、現在赤字を記録しています。これは、同社が利益を得ることよりも、製品開発と市場拡大に注力しているためです。開発費と広告費には多額の投資がなされていますが、売上は順調に伸びている状況です。
財務状況について詳しく見ると、キャッシュフロー推移は投資CFが多く、フリーCFはマイナスですが、これは積極的な事業投資の結果と言えます。
自己資本比率は約50%で、負債より純資産が多い状態を維持しており、財務的には健全な状態にあります。
赤字が続いている現状ではありますが、積極的な事業投資と健全な財務状況を考慮すると、Chatworkは将来的成長向けての自己投資に注力する、成長企業になります。
Chatworkの経営方針は?
Chatworkは、2021年から2024年にかけての中期経営計画を策定しています。
この計画では、Chatworkの事業成長を測る主要な指標として「課金ID数」を掲げ、4年間で年平均売上成長率40%を目標としています。
そのための具体的な戦略として下記の戦略2つを掲げています。
中期経営計画の主要戦略
Chatworkの成長戦略は、主に以下の2つの軸で構成されています。
コミュニケーションプラットフォーム戦略
この戦略は、無料版のChatworkを広範囲に提供し、その経験を通じてユーザーに有料版への移行を促すものです。
このアプローチは「Product-Led Growth (PLG)」と呼ばれ、製品自体がユーザーに価値を提供し、売上と利益の向上につなげる方法です。
マーケターや営業担当者の力によって製品を売るのではなく、製品が直接ユーザーに価値を伝えて購入へと促すことができ、そうすことで営業にかかるコストを削減できます。
Chatworkはは自社の一製品であると同時に、自社製品(Chatwork)自身を売り込むセールス担当者でもあると言えます。
この戦略により、営業コスト削減も期待できます。
インキュベーション戦略
この戦略では、Chatworkをさらに多機能なプラットフォームへと発展させることを目指しています。
具体的には、経理や人事評価などの業務をChatworkを通じて外部に委託することが可能になります。
このアップグレードにより、顧客はChatworkを介して事業の一部を効率的に外部委託でき、生産性の向上が期待できます。
実際、2022年クラウド型就業管理及び人事評価システムの企画・販売、並びに給与計算等の労務アウトソーシングなど、人事労務領域の事業を展開する【ミナジン】を買収しました。
これによりChatworkを通じて人事労務領域サービスの連携による高付加価値なサービスを、顧客に提供できるようになりました。
Chatworkの強みとは?
Chatworkはビジネスチャット市場で独自の強みを持っています。その3つの主要な強みは以下の通りです。
- 複利のように増加するユーザー基盤
- 高い定着率
- 成長余地が大きな市場
Chatworkの持つ強みとはなんでしょうか?
複利のように増加するユーザー
Chatworkは、ユーザー数が自然と増える独自の仕組みを持っています。
ビジネスチャットツールとして、Chatworkを使う企業は、同じツールの仕様を促します。
これにより、新しいユーザーがさらに他のユーザーを紹介する「複利の構造」が形成され、ユーザー数が加速度的に増加します。
実際に2022年度の売上は前年比57.9%増加と登録者数が線型でなく二次曲線的な増加しています。
その要因として、2023年12月期 第2四半期決算説明会でCEOの山本氏は『紹介した人が新たに紹介行う複利の構造が働き登録者数が激増した』と述べました。
ビジネスチャットとしてChatworkが使い続けられれば、複利の構造が働き続け安定した登録者数の増加、売上維持が期待できます。
高い定着率
Chatwork解約率は0.35%と低い推移で経過しており、高い定着率を維持しています。
過去の履歴や関係構築のためのデータが蓄積されるため、他のツールへの移行が困難になります。
このことが、長期的に安定した売上の維持に寄与しています。
成長余地が大きな市場
ビジネスチャット市場におけるChatworkの成長機会は、市場の普及率と潜在的な顧客層を考慮すると非常に大きいです。
現在の国内ビジネスチャットの普及率は約20%に過ぎず、これは市場の80%近くがまだ未開拓の潜在顧客であることを意味しています。
過去数年で、個人のコミュニケーション方法は大きく変化しました。
かつてメールが主流でしたが、現在ではLINEのような即時性と利便性の高いチャットツールが普及しています。
この動向はビジネスの世界にも波及しており、近年のテレワークの普及も後押しし、より迅速で効率的なコミュニケーション手段としてビジネスチャットの需要が高まっています。
Chatworkは、この市場の成長と普及の波に乗る絶好の機会を持っています。
ユーザーフレンドリーなインターフェース、高いセキュリティ、多機能性を兼ね備えたChatworkは、まだチャットツールを導入していない多くの企業にとって魅力的な選択肢となり得ます。
将来的には、ビジネスコミュニケーションの標準がメールからチャットツールへと移行することが予想されます。
Chatworkはこの変化を先取りし、ビジネスチャット市場の拡大に伴って自身のプラットフォームを確固たるものにするために自社の成長に注力しています。
Chatworkの弱みとは?
Chatworkはビジネスチャット市場で競争に挑んでいますが、いくつかの重要な課題が存在しています。
これらの課題は、同社の将来的な成長と市場での地位を左右する可能性があります。
市場シェアの低さ
現在のビジネスチャット市場では、Chatworkのシェアは他の大手プレーヤーに比べて低い状態です。
2021年の日経BPコンサルティングによるアンケート結果に基づくと、ビジネスチャットサービスの市場シェアは以下の通りです。
- Teams(Microsoft):62.8%
- Slack:8.2%
- LINE WORKS:4.8%
- Chatwork:3.6%
現在のビジネスチャット市場では、Chatworkのシェアは他の大手プレーヤーに比べて低い状態です。
MicrosoftのTeams、Slack、LINE WORKSといった国際的な競合他社に比べると、Chatworkのシェアは3.6%に過ぎません。
Chatworkは日本市場の特有のニーズに合わせたサービスを強みにサービスを提供していますが、TeamsやSlackといった国際的な競合に比べると、その差別化は十分でない可能性があります。
これらの競合は、既に市場において強固な地位を築いており、Chatworkがこれらの競合からシェアを奪うのは容易ではありません。
成長への投資と赤字経営
Chatworkは成長のために積極的に投資を行っていますが、現在は赤字経営の状態です。
人件費の増加や広告宣伝費への投資は、短期的には財務面での負担となっています
また、新市場への進出や新機能の開発も、すぐには収益につながらない可能性があります。
Chatworkは、SaaSというビジネスモデルを採用しています。
このモデルでは、ソフトウェアを一つの商品として売るのではなく、サービスとして提供し、利用者から定期的に料金を受け取ります。
新しい顧客を獲得するためには、セールス(販売活動)とマーケティング(市場戦略)に投資することが非常に重要です。
Chatworkはこれまでの組織強化と市場拡大により一定の成果を得ており、今後は売上増加と利益改善を同時に進めるフェーズへ移行しています。
現在の赤字経営は、新規顧客獲得と市場での地位確立のための戦略的な投資から生じています。
長期的には、この投資が収益性の向上につながり、市場の不確実性の中で持続可能なビジネスモデルを確立が期待されてます。
今後も財務状況に注視し、経営計画通りの黒字行えるかは見守る必要があります。
【結論】ギャンブル 市場シェア獲得できるか次第
Chatworkは、ビジネス用のチャットアプリを開発している会社です。
現在、新しい顧客を獲得するためにたくさんのお金を投じています。
その結果、売上は上昇していますが、まだ会社としての利益は出ていません。
将来的には、投じたお金以上に新しい顧客を獲得できれば、利益が出るようになる可能性があります。
Chatworkへの投資には、大きなギャンブル要素が含まれています。
なぜなら、ビジネスチャット市場にはまだ多くの潜在的な顧客がいるとされていますが、Chatworkの現在の市場シェアは5%未満です。競合他社が存在する中で、Chatworkがこれ以上のシェアを獲得できるかどうかは、はっきりとは言えません。
もしChatworkが市場シェアを獲得できれば、会社は大きく成長するかもしれません。
しかし、現状ではその可能性を見極めるのは難しいです。
市場の不確実性と競争の激しさを考慮すると、Chatworkへの投資は、成長への確実な投資というよりは、ギャンブル的な性質を持つと言えます。
総合的に見ると、Chatworkへの投資は大きなリスクを伴いますが、成功すれば大きなリターンも期待できます。
Chatwork株の変動性と投資の考え方
了解しました。以下のように、文章をより読みやすく書き直してみます。
Chatwork株の変動性と投資の考え方
私はChatworkの株を1株600円台で購入しました。
その後、株価は一時的に1200円台まで上昇しましたが、2023年の第3四半期の決算発表で業績予想が下方修正されたことにより、株価は500円まで大きく下落しました。
このような大きな価格変動は、成長している企業によくあることです。
株価は大きく下落していますが、売上が安定しており、今回の業績予想の下方修正はサービスの価格改定による予想を見誤ったこと理由であったため、株の売却は考えていません。
ですが、今回のことで改めてChatworkは価格変動が大きくギャンブル的な企業だなと痛感しました。
Chatworkは依然として中期経営計画計画で掲げた売上成長率40%は維持しており、今期4四半期は黒字になるという見通しを変えていません。
この経験から、Chatworkのような成長企業に投資することは、価格の大きい変動があり、ある意味でギャンブル的な要素が強いことを改めて感じました。
株価は短期的には大きく変動することがありますが、私は長期的な視点で売上動向を見守ろうと思います!
興味を持たれた方はぜひ!Chatworkを調べてみてください!!
企業の強み・弱みがわかれば、企業への投資価値が見えてくる!
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